「皆さんの力が必要」 方言継承テーマに田中さん講演 和泊町長寿クラブ連合会

2024年01月21日

地域

講演で、方言による手遊び歌を披露する田中美保子さん=19日、和泊町

和泊町長寿クラブ連合会(本部忠孝会長)の全体交流会が19日、同町のえらぶ長浜館であった。シマムニ(沖永良部島の方言)継承に取り組む「島ムニむんちゃの島ムニ保存会」の田中美保子さん(和泊町)が講演。シマムニ話者が多い同連合会員を前に、「継承には皆さんの力が必要。シマムニのシャワーを子どもたちにかけてあげて」と呼び掛けた。

 

年4回行う交流会の3回目。会員約80人が参加した。田中さんは初めに、同島に古くから伝わる昔話をシマムニで書いた絵本「塩一升の運(ましゅいっしゅーぬくれー)」を読み聞かせた後、自身が勤めている幼稚園でシマムニ継承のため実践している手遊び歌などを紹介。「子どもにとっては、シマムニも英語も同じ外国語に聞こえる。シマムニのリズムが楽しいようだ」などと、子どもの立場からのシマムニの印象を伝えた。

 

言語・方言研究者の調査に協力し、最新の研究情報を得ることで分かったシマムニ継承の必要性、ポイントなども解説。島内で2020年に行われた方言に対する意識調査で、回答者(505人)の9割近くが方言の次世代継承を望んでいるとし、「耳から聞いて分かる年代が子どもに話したらシマムニは残る。学校、家庭、遊び、生活、いろいろな場所でちょこっとシマムニを話してほしい」と訴えた。

 

講演を聞いた永井一夫さん(88)は「学校卒業後に本土で就職することになった時、シマムニを使うと差別されるから使うなと言われた。今シマムニは大事にされており、できるだけ使うようにしている。今後も継承できるよう協力したい」と話した。